リチウムイオン電池用合剤電極作製に使用された例:掲載技術単行本のご紹介

リチウムイオン電池・全固体電池の材料技術 ―プロセス・評価技術まで― (科学情報出版)

本のご紹介

・タイトル:リチウムイオン電池・全固体電池の材料技術 ~プロセス・評価技術まで~

・編著: 櫻井 庸司氏(豊橋技術科学大学)

・共著: 稲田 亮史氏(豊橋技術科学大学)

東城 友都氏(静岡理工科大学)

引間 和浩氏(豊橋技術科学大学)

松田 厚範氏(豊橋技術科学大学)

武藤 浩行氏(豊橋技術科学大学)

・発行元:科学情報出版株式会社

本の中での石川式撹拌擂潰機(AGA)の活用方法と記載部分の抜粋

ある電極活物質をリチウムイオン電池としての電気化学特性を調べる際には、電極活物質を測定に合わせて調製する必要がある。電極全体の電子伝導特性と電気化学反応の均一性を確保するために、導電助剤と混合して合剤電極とする。その混合作業に、弊社擂潰機(AGA)を用いる場合があると書かれている。

弊社機器の掲載ページの抜粋は以下になります。

 

4.3 電極作製法(乾式プロセス)

 電極活物質の電気化学特性を評価する際には、電気化学セルに組み込む前に種々の方法で電極化する必要がある。本節では、乾式(ドライ)プロセスを用いた電極化手法として、最も簡便な結着材(バインダー)を用いた合剤電極の作成について解説する。加えて、パルスレーザ蒸着法、スパッタリング法、エアロゾルデポジション法といった薄膜・厚膜形成技術を用いた電極形成について、先行研究での実例を交えて紹介する。

 

4.3.1 結着材を用いた合剤電極作製

 

 ある電極物質について、リチウムイオン電池電極としての電気化学特性を調べる際には、電極活物質を測定に合わせて調製する必要がある。多くの場合、種々の方法で合成された粉末試料を使用するため、電極全体の電子伝導特性と電気化学反応の均一性を確保するために、導電助剤と混合して合剤電極とする。導電助剤としては、一般にカーボンブラックなどの炭素系微粉末材料が用いられる。電極内において、導電助剤は電解液を保持する役割も担うことになる。混合作業は、乳鉢を用いて手動で行うこともあれば、ボールミルや擂潰機等を用いて自動で行う場合もある(図4.21)

 

 

 活物質と導電助剤を混合した後、粒子同士および集電体との接着を行うために、結着材を加える。結着材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を混合し、固形(粘土)状となった合剤を、圧延機によるロールプレスにより、所定の厚さ(0.2~0.5mm程度)に成形する。混合比として活物質:導電助剤:結着材=7:2:1(重量比)程度が成形しやすいが、導電助剤・結着材の比率は活物質の粒子径や形状に応じて微調整する必要がある。電気化学セルに組み込めるように、ポンチでくり抜きペレット状とした後に、集電体金属に圧着する。また、合剤電極と集電体間の接触性を良くするために、メッシュ形状の金属シートが集電体として使用される。