スラリー濃縮実験の掲載

■目的

一般的には、スラリーを濃縮する際には、デカンター遠心分離機、シックナー(濃縮タンク)、蒸発濃縮器を使用する。しかし、デカンター遠心分離機は高額な装置で、場所も占有する。また、運用コストも高いために、導入には慎重にならざるを得ない。シックナーは、スラリーの粒子サイズや濃度によっては、濃縮に時間を要する場合がある。また、少量の濃縮には向いていない。

これらの課題を解決するために、今回、石川式撹拌擂潰機(自動乳鉢)を用いて、少量でかつ平易な方法での濃縮方法の実験検証を行う。具体的には自動乳鉢のフィルム二重断熱カバーに吸排気口を施し、空気を吸排気させ、かつスラリーを60℃程度に加熱することにより、少量のスラリーを平易に濃縮できるか否かの検証を行う。

■結論

自動乳鉢D18SEB機を用いて、フィルム二重断熱カバーに吸排気口を施し、空気を吸排気させ、かつスラリーを60℃程度に加熱することにより、少量のスラリーを平易に濃縮できることが分かった。

これは、「スラリー専用エバポレーター」としての使用可能な証明にもなりうると考えている。